HPV(ヒトパピローマウイルス)は、主に性交渉によって生殖器やその周辺の粘膜にイボをつくるウイルスで、遺伝子型は150種類以上あります。16、18、31、33、45、52、58型などのHPVはがんになりやすく、子宮頚部に感染すると子宮頸がんに進行することがあります。
16型と18型のHPVは子宮頸がんの主な原因である、若年者に多いといわれています。女性の約80%が知らない間にかかったり、治ったりしています。
HPVに感染しても、ほとんどは自然に治りますが、一部は持続感染し、がんになります。HPV感染の約10%は細胞に初期の異常(異形成)が見られ、約4%の方は前がん病変になり、普通はゆっくりと本当のがんに進行します。前がん病変からでも、自然に正常に戻ることが多いのですが、最終的に0.1~0.15%の方(毎年1~1.5万人)が子宮頸がんになります。
免疫系が健全であれば、多くの場合、やがてHPVはコントロールされ、治療をしなくてもいぼとウイルスは根絶されます。8カ月もすれば、半数の人で感染は治まり、2年以上感染が続くケースは10%未満です。2年以上持続感染される場合は、自然消失は難しく、将来的に子宮頚頸異形成(子宮頸がん前病変)、子宮頸がんの順に進行します。早期治療をお勧めです。